AI・IoT等新技術等をめぐる法規制を緩和する「規制のサンドボックス制度」についてまとめてみた

ちょうど昨日、こんな記事が公開された。

インフルエンザのオンライン受診勧奨サービスを実証へ、MICIN – 日経デジタルヘルス

医療方面というととにかくあらゆる方面で規制が多く革新的な技術や新たな仕組みの導入がスピーディに進みづらい分野の一つであるという認識だったので、MICIN社が医療分野の第一号として規制周りでのこうした特例措置を受けたというのが個人的に印象的だった。
記事によるとこの特例措置の背景にあるのが「サンドボックス制度」になるわけだけど、一体このサンドボックス制度とは何なのか。ネット上を調べてみてもあまり情報が無いので詳しく調べてみることにした。

規制のサンドボックス制度(新技術等実証制度)とは

2018年6月6日にスキームが公表され、窓口が設置された模様。公式の資料*1にて制度の概要が書かれていたのでこちらを抜粋すると、

AI、IoT、ブロックチェーン等の革新的な技術の実用化の可能性を検証し、実証により得られたデータを用いて規制制度の見直しに繋げる制度

とのことだった。もうすこし簡単に言うと、
「AIとかIoTとかそういう技術周りで色々既存の規制があるけど、あなたの事業に対して必要に応じて規制を一部緩和するからどの部分の規制を緩和してほしいのか教えてね」という感じの制度

こうした規制緩和制度は他国でも事例があるようで、イギリスやシンガポールでも採用されている模様*2。
制度誕生の背景を想像するのは比較的想像に難くない。昨今世界的にやれAIだIoTだブロックチェーンだシェアリングエコノミーだと言われているものの、
日本の場合他国に比べて既存の法制度等が障壁となって国内で新技術を実証しづらい現状にあるように思われる。
医療方面で言うと中国では2018年11月に既に薬剤まで処方する無人診療の診療所が出現していたり*3、世界的に広く利用されているUberのようなライドシェアサービス方面で言うと日本はいまひとつ歩みが遅い。
そうした中でのサンドボックス制度の登場は現代の急速な世界の変化に対応するための必然だったも言えそうな気がする。

仕組み

sandbox_structure

図にするとこんな感じ。
事業者が「一元的な窓口」に対して相談・申請を行う。申請を行う際には「事業概要は?」「どの法令のどの部分の特例措置を受けるのか?」「法令規定されている代替措置は?」「実証期間は?」といった内容がまとめられた資料を提出する *4。
ここでいう「一元的な窓口」というのは新技術等社会実装推進チームにあたる模様。

資料が提出された後は提出後1ヵ月以内に「革新的事業活動評価委員会」を通して話し合いが行われ、話し合いから1ヶ月以内に主務大臣が承認是非の判断を下す模様。
なお、革新的事業活動評価委員会の構成人員に関しては公式の資料*4を参考にすると、さまざまな意見・学識・経験を持つ人が公平・均衡となるように構成されている模様。
具体的にどういう人員で構成されているかは公式の名簿を参照するとよさげ。

その他特筆すべき事項としては、
・規制が緩和されてもなお他の規制がひっかかって実証実験が進みにくい場合に緩和措置の追加申請が可能。
・また、事業者は主務大臣に対して定期的な報告を行い、実証実験中に問題が発生した場合は速やかに主務大臣に報告を行う 等のレポート体制が敷かれている模様 等。

MICIN社は実際にどの部分の緩和を受けたのか?

診断キットとビデオ通話を組み合わせたインフルエンザ罹患時のオンライン受診勧奨(計画の概要)- 首相官邸ホームページ

上記リンクにて実際の申請内容を確認することができる(P2 – P3)。ポイントとしては医師法第二十条と第三十七条一項の模様。
(自分は法律周りに関しては素人のため、誤った情報を発信しないよう当ブログでは内容が記載されている部分のみを記載し、個人での解説は控える)

おわりに

個人的には 日本がDeepLearning方面等含め、最先端の技術で遅れを取る中でこうした制度が整備されたのはとても良いことなのではないかなと思うし、今後この制度が産業の各方面にてうまく機能していくことを願う。
なお、もし当記事の内容が筆者が独自に情報をかき集めてまとめたものになるため、もし内容や解釈に誤りがある場合お手数ですが@irration宛にご連絡いただけましたら幸いです(加筆修正させていただきます)。

参考資料

*1 規制のサンドボックス制度及び革新的事業活動評価委員会の概要 – 首相官邸ホームページ
*2 「規制のサンドボックス」って? – 毎日新聞
*3 平安好医生“无人诊所”亮相乌镇 ,打造一小时医疗服务圈
*4 新技術等実証の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針 – 首相官邸ホームページ

Written by Nisei Kimura ( 木村 仁星 )

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